それとこれとは話が別や

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え、ちょっと待って ちょっと待って。 瑠璃ちゃん、なんや えらいさっぱりした 表情してはるけど、 なに考えてんのや!? 「ちょいまち、 瑠璃ちゃん、 え、どないしたん??」 俺が尋ねると、 瑠璃ちゃんは不敵な 笑みを漏らす。 それからペロリと妖艶に 唇を舐めて、 瑠璃ちゃんは口を開いた。 「あたし、 強いから大丈夫ですよ。 肝も座ってるし、 根性もある。 ちょっとぐらい 悪口言われても、 平気ですから。 これは自分の判断です。 椋橋さんは黙って 見てれば良いですよ。」 そう言って、 教室を颯爽と後にした 瑠璃ちゃん。 え、え、え?? 俺ついてけて ないねんけど! 何、この 取り残されてる感! なんか吹っ切れたんは わかるけど、 あの子なんする気なん!? 「ちょお、瑠璃ちゃん!」 俺が慌てて校舎を 飛び出すと、 そこにはなんでか わからんけど、 逢坂オーナーがおった。 なんや、芝生んとこで、 キョロキョロしよる。 あれ、ここ学校よな?? 普段バイトでしか見ん人 見すぎてわけわからんわ! てかやから何でおるんや! 「逢坂オーナー!? 何してはるんですか!? つかお店は??」   俺が駆け寄ると、 オーナーはふわりと 笑って俺に向かって 手を振った。 「椋橋くーん。 ちょうどいいところに。 ミスコンやってる講堂に 行こうとしたんだけど 迷子になっちゃって。 案内してくれる?」 「は!?ミスコン!? だから店は???」 「今日は臨時休業。 個人経営はこういうこと 出来ちゃうからいいよね。」 そう言って朗らかに ケラケラ笑うオーナー。 いやいや、 なんかこっちが 不安なんねんけど! 店はほんまに大丈夫なん? しかもミスコン見に来たぁ? 俺は眉を潜めてオーナーの 方を見上げた。 「ミスコンて、 つまり瑠璃ちゃん応援に 来たってことですか?」 「他の人応援しても 仕方ないでしょ。」 オーナー、さも、 「え、なんかおかしい?」 みたいな顔するけど いきなり現れたら びびるわアホ!!! しかも回りの視線が 刺さるうううううううう 女の子らがめっちゃ オーナー見よるうううう イケメンやべええええ 太陽の光浴びていっそう 爽やかなってるううう 俺が落ち着かんくなって 腕をさすりよると、 逢坂オーナーは穏やかな 表情のまま、 「で? さっき瑠璃ちゃんが 走ってくのみたけど、 なんかあったの?」   なんて聞いてきはった。 あ、そや! 瑠璃ちゃん! 俺は慌ててことの経緯を 話し始めた。 「いや、 実はさっきまで一緒に 話してたんですけど・・・」
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