本領発揮の変態紳士

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須藤さんがミスコンの ステージ上で、 「あたし、 ブリッコするの 疲れたんでやめます。 そういうことだから よろしく。」 なんてハッキリすぱっと 啖呵切った上に、 今までのガーリーな 雰囲気から一変、 キツめのお姉さんスタイルに 大イメチェンをした。 そしたら男子大学生が、 『なんかとんがった女の子 いるんだけど、やべぇw』 って面白がって、 須藤さんに投票しちゃって、 ミスコン史上初の高校生 優勝者になった、 って話を私、市倉梓は 椋橋さんから聞いた。 良いんだか悪いんだか 分かんない話だな、 ていうか、まじか、 須藤さん。 学校でそんなことしたら 居場所なくなりそうだぞ。 それでも一応バイトで 須藤さんに、 「優勝おめでと。」 って言っておいたら、 須藤さんは、 「当然でしょ。」 とか抜かしてきた。   私の前ではもう謙遜とか そういうのする気一切 ないらしい。 つか、 何でわざわざそんな 女の子に嫌われること したんだよ。   「ブリッコやめます宣言は どういう風の吹き回し? 大丈夫なわけ? ・・・・友だち関係。」 私がおずおずと聞くと、 須藤さんはフンと鼻を 鳴らして、私のことを 小バカにしたような 目で見てきた。 「別にもともと仲良かった わけじゃないし、 必要ない人間関係切れて むしろすっきりよ。 ま、ぼっちなのは 認めるけど。」 「お、おう。」 最後にけっこう反応に 困ること言ってきたな、 須藤さん。 だけど、 須藤さんは本当に 清々しい表情をしていて。 なんか、 一皮剥けたって感じだ。 「・・・今の須藤さんの 方が相手するの楽だわ。」 「あずちゃんは相変わらず 無神経のアホだけどね。」 「はい??」 無神経のアホ!? どういうことだよ、それは。 私がムッとした表情で 須藤さんを見ると、 須藤さんはフフンと 余裕綽々な笑みを浮かべた。 「ああ、気にしないで、 こっちのハナシ(笑) じゃ、ホールいくわー。」 須藤さんはそういうと、 吹き終わったシルバーを 所定の位置に戻して ホールに行ってしまった。 なんだったんだろう、 今の。 これは後々嫌ってほど 反省というか、 悩まされることに ことになるんだけど、 また別の話。 とりあえず、 今は次の土曜に若宮くんと デートすることになった ことの方が大大大問題で、 その話をしないとなんだ。
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