制服は着れるうちに着とけ

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「・・・なんか、 オーナーの話聞いて 腹くくれました。」 指定校がダメ だったとしても、 私は大学に進学したい。 今、この瞬間、 私はそう決心する ことができた。 なんかいったん 決心すると憑き物が とれたみたいな気分だ。 すっげースッキリ。 一方の須藤さんも とても感心した様子で オーナーのことを見ていた。 「・・・・やっぱり オーナーって大人ですね。 言うことが違うわ。」 「そりゃまあ伊達に 年取ってないよ(笑)」 オーナーはこう言うと、 クスクスとゆったりした 表情で笑う。 今年でたしか28歳 だっけ、オーナー。 やっぱ私たちと10歳 違うと言うことも違うな。 「オーナー、 ためになる話 ありがとうございました。 私、もうこの件で 悩みません。」 私がオーナーの目を 見ながらいうと、 オーナーも私と目を あわせて、 ふっと、甘いマスクで 微笑んだ。 よーし。 私は、 進学一本でいくよ。 ――――――――――― ―――――――――――――― 「オーナーやっぱ 大人だわ。」 バイトからの帰り道。 私は将と一緒に 歩いて帰っていた。 ホントは本通りを通れば すぐ家に帰れるんだけど、 まー、 一緒に帰れるなら、 ちょっと遠めの道で 帰ろっかなって、 思うじゃん。 理由は、 ねぇ? 察してよ。 ・・・・こんなこと 自分が言う日がくるなんて まじでビビるわ。 と、まあ、 この話は置いといて(笑)、 私は帰りながら今日の 逢坂オーナーのことを 熱を入れて語る。 将はそれを穏やかな 表情で聞いていた。 「ほんと逢坂オーナーの おかげでスッキリした! すごいよねー、 学校の先生だって こんなこと言わなかったよ。 逢坂オーナー先生とか なれるんじゃん??」
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