畜生

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 秀俊のカリと裕のカリが私の内壁を挟んで擦れ合う。  アナルに潜り込んだ秀俊のペニスが激しく抽迭される度びに、私と向かい合う裕が眉をしかめながら掠れた喘ぎ超えも漏らす。  私のビィギナの奥で裕の張り詰めたペニスが更に怒張する。  私はと云えばこんなに冷静に二人の状態を確認しながらも、肉体は限界寸前まで追い込まれれ今にも二人のペニスを食い千切そうなほど2つの穴で締め上げてしまう。  二人して私を追い込んだくせに、更に内壁を掻きむしり抗議してきた。  「あゝ」と声を上げ身体が反り返ろうとするが、秀俊が私の背中を自分の分厚い胸で抑え込み、裕と供にベッドに釘付にして身動きが取れない。  小柄な私を挟み込んだまま、頭の上で秀俊と裕が強くキスを交わし、粘り気のある糸が舌先から舌先へと渡る。  クチャクチャと唾液を交換し合う様は、まるで新種の両生類が交尾をしているように見え、気持ちが悪くて堪らなく好きだ。  三人の汗と精液の匂いが混ざり合い、キングサイズのベッド以外何も置けない寝室に甘やかな悪臭が立ち込めて息苦しい。  裕が私の腰を抱えた状態で、ベッドボードに枕を立て掛け身体を起こすと、裕の動きに引きずられるように私が裕に跨る形に成り、秀俊のペニスが私のアナルからズルリと抜けて跳ね上がる。  まるで遠距離恋愛中の恋人同士のように離れ難くしがみつきあうペニスとアナルを、物理的に引き剥がす刺激にほんの一瞬、意識が飛ぶ。  すぐに意識が戻った理由は、秀俊が体制をかえ私の中へ無理やり戻ってきたせいだ。  急いた挿入に今度こそ本当に背中を反らせば、裕がすかさず身体を丸め私の左乳房を掴み、ねっとりと湿った唇で啄む。  両腕を上げ後ろに回し秀俊の首にしがみつけば、快楽に叫びそうになる私の顎を秀俊が右手で掴み限界まで右上を向かせると、舌をねじ込み貪るように口内を蹂躙する。  肉厚の舌がその身に毒液を纏い口内で暴れ回り、歯列をなぞり、声を吸い上げ私の感覚を狂わせた。  4本の手で擽られ、2本のペニスに侵され、身体が熱せらてた鉄のようにドロドロに溶けて行く。  気が付けば二人は既に一度目の絶頂を放ち、私の穴を交換しお互いの精子を掻き混ぜ合っている。  向かい合う秀俊に左膝を掴まれ高く上げられ、丸見えのビィギナを限界まで広げた秀俊のペニスが内部を掻き回し、次から次へと白濁した泡が溢れ出す。  裕がアナルから滴る秀俊の精子をすくい取り、私の背中に塗り広げて遊ぶ。  あやすように私の脇腹を擦るのはもう何方の手なのかが判らない。  秀俊の鎖骨に噛み付き意識を保てば、其れを嘲笑うように裕が私の首を舌から項へと舐め上げる。  ビィギナの奥に隠された襞と云う襞の一枚一枚を秀俊が優しく擦る。  先程腸内を掻きむしった激しさとの違いに、もどかしく腰を擦り付ければ、動きをかえたのは裕の方で、私の腰を持ち上げては手を離し、最奥をこじ開けようと裕の先端が直腸の出口を激しく叩く。  今度こそ痛みから悲鳴を上げたが、二人は血走らせた目と広角の上がった唇を顔に貼り付けたまま熱に浮かされて私を喰い散らかす。  もう、狂ったほうが楽になれるかも知れない。  すっかり剥がれ役立たずとなったシーツに重怠く転がる私の横で、秀俊と裕が繋がっている。  私をこんな状態にしておいて、まだ飽き足りずに絡み合う二人。  いや、この二人にとって私は前菜のようなモノなのかも知れない。  自分が挟まれていたときには聞き取れなかった肌の擦れ合う音。抽迭と供に湧き出る匂いを感じながら、記憶を辿る。  両親は、写真に映る顔しか覚えていない。  小さな施設で命があるだけのような生活をしていたときに、二人が私を引き取りたいと言ってきた。  私が12で二人が25歳の夏。  秀俊が私の母方の従兄弟らしく、資金難が常態化している施設は私の身内が現れたことを喜んだ。  秀俊は私を養女にし、裕も秀俊の養子だった。つまり、二人は私の養父と義兄に当たるわけだ。  はじめからこんな関係を望んでいたわけではないのだろう。むしろ単なる善意と義務感で私を引き取り、育ててくれた。  私も、二人を父と兄として受け入れ、二人の関係が夫婦であることも認識していた。  私が義兄の裕に恋をしたことがこの爛れ切った関係の発端だろう。  別に秀俊から裕を奪う気などなく、ただ単に恋をしただけだった。  時期が曖昧だ、16だったか17だったか。二人が睦み合ってたときに、私も中に入りたいと強請った。  既に興奮状態で加熱しきっていた二人は私の手を取りベッドに乗せてくれた。  私はそのときにファーストキスを裕と交わしたのだ。  ダブルベッドがキングサイズに換わったのはその週末で、以来私は常に二人に挟まれ川の字に成って寝ている。  いつか終わりが来るのだろうか?  二人の絡み合う声が遠く聞こえる。  眠くて仕方がないのだけれど、シャワーを浴びて身体を洗いたい。  自分ではできそうにないし、二人が満足するのを待つしかないだろう。  あまり夜遅くなるの困るのだ。  明日は朝から産婦人科の予約を入れてある。  この不毛な関係に子供は要らない。  次からは上手くやるつもりだ。  アフターピルを手に入れよう。  だが先ずは、子供を堕ろす。  二人に話すつもりは無い。
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