双子で生まれた皇子

1/1
前へ
/3ページ
次へ

双子で生まれた皇子

小碓命(おうすのみこと)は、景行天皇(けいこうてんのう)皇后(こうごう)稲日姫(いなびひめ)の間に生まれた。 小碓命(おうすのみこと)は、大碓命(おおうすのみこと)と 双子の兄弟として生を受けた。 「稲日(いなび)、でかしたぞ」 景行天皇(けいこうてんのう)は、 稲日姫(いなびひめ)の出産に大喜びだった。 「名前は決めたのか?」 「大碓(おおうす)小碓(おうす)と名付けました」 「そうか、そうか。 後継ぎの皇子(みこ)が生まれたんだ。 皇子(みこ)たちを大切に育てよう」 天皇(すめらみこと)は、 皇后(こうごう)が産んだ双子の皇子(みこ)が 健やかに育つことを願っていた。 「大碓(おおうす)小碓(おうす)、 母上の手許で育ってくれよ。 この父がおまえたちを守っていくぞ」 天皇(すめらみこと)は、 皇后(こうごう)といる時間を大切にしていた。 この時代は一夫多妻が当然であるが、 皇后(こうごう)である稲日(いなび)天皇(すめらみこと)は大切にしていた。 それは二人の皇子(みこ)が成長するたびに 寵愛をしていた。 この寵愛ぶりは二人の皇子(みこ)が 青年となった時も続いていた。 15歳となった大碓(おおうす)小碓(おうす)は美しい少年となっていた。 「兄上、馬に乗って山に行こう」 「よし、行こう」 「気をつけて行くんだぞ」 天皇(すめらみこと)は昔と変わらず 稲日(いなび)大碓(おおうす)小碓(おうす)と過ごす時間を大切にしていた。 「もう、15になったんだな。 そろそろ嫁を迎える年だな」 「そのお話は天皇(すめらみこと)にお任せします。 二人が気に入った皇女(ひめみこ)に来てほしいですね」 「実はな、美濃に住んでいる 美人で評判の皇女(ひめみこ)がいるんだ。 その皇女(ひめみこ)たちを皇子(みこ)たちに会わせたい」 天皇(すめらみこと)は、皇后(こうごう)大碓(おおうす)小碓(おうす)のお妃になる 皇女(ひめみこ)の話をしていた。 その縁談がまとまることを切に願っていた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加