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双子で生まれた皇子
小碓命は、景行天皇と
皇后の稲日姫の間に生まれた。
小碓命は、大碓命と
双子の兄弟として生を受けた。
「稲日、でかしたぞ」
景行天皇は、
稲日姫の出産に大喜びだった。
「名前は決めたのか?」
「大碓と小碓と名付けました」
「そうか、そうか。
後継ぎの皇子が生まれたんだ。
皇子たちを大切に育てよう」
天皇は、
皇后が産んだ双子の皇子が
健やかに育つことを願っていた。
「大碓、小碓、
母上の手許で育ってくれよ。
この父がおまえたちを守っていくぞ」
天皇は、
皇后といる時間を大切にしていた。
この時代は一夫多妻が当然であるが、
皇后である稲日を
天皇は大切にしていた。
それは二人の皇子が成長するたびに
寵愛をしていた。
この寵愛ぶりは二人の皇子が
青年となった時も続いていた。
15歳となった大碓と
小碓は美しい少年となっていた。
「兄上、馬に乗って山に行こう」
「よし、行こう」
「気をつけて行くんだぞ」
天皇は昔と変わらず
稲日と大碓、
小碓と過ごす時間を大切にしていた。
「もう、15になったんだな。
そろそろ嫁を迎える年だな」
「そのお話は天皇にお任せします。
二人が気に入った皇女に来てほしいですね」
「実はな、美濃に住んでいる
美人で評判の皇女がいるんだ。
その皇女たちを皇子たちに会わせたい」
天皇は、皇后に
大碓と小碓のお妃になる
皇女の話をしていた。
その縁談がまとまることを切に願っていた。
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