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鍵の掛かった石室入口の鉄条門を解錠して茶色いアルミの扉を開けると右壁に設置された電灯のスイッチを点けた。
すると石室まで続く石壁が湿っているのかキラキラと輝き綺麗だった。
石室も湿っていて表面が光っていた。
湿度管理を急がなければと思いながら前と同じ一眼レフで撮り始めた。
時を忘れ夢中でシャッターを切る内に湿度と汗で服が皮膚に貼り付いた。
撮っている時は特にこれと言って違和感は無かった。
今回はここである程度 画像をチェックしておこうと思い撮り終えたデータを確認していると入口の扉が開く様な音がした。
「誰?」
僕の声が石壁に響いた。
辺りを見回したが誰の姿もなかった。
念の為 僕は入口の扉まで行き確認したが特に異常は無かった。
すると突然石室の方からフラッシュが光った。
僕は間違えて自動タイマーにしてしまったと思い 石室に戻りカメラを持ち上げた瞬間、
「それでボクを撮ったのか?
何て言う機械だ!?」
囁くような声が聞こえた。
「ダメだよ!
ここは勝手に入っちゃいけないんだ。
早く出ておいで...
怒らないから。」
ボクは子供が入り込んだと思い周りを見渡しながら言った。
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