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彼、門倉の目は深くてほの暗い洞窟の入り口のようだった。
自分の子と人間のとを取り替えてしまう妖精の棲み処、深いふかい洞穴を俺は思った。
『チェンジリング』とは本来、そうして妖精に取り替えられてしまった子供のことを指し示した。
性衝動の熱に浮かされぼんやりとする彼の姿は、妖精にさらわれて連れ去られてしまった人間の子供のようだった。
それとも、身代わりにと置いていかれてしまった妖精の子供か。
どちらにしても何と可哀そうで――、なんて可愛らしいんだろう‼
俺は本気でそう思った、思わされた。
しょせん「孕ませる側は制御が効く」などといっても、高が知れている。
鼻の先がこすれ合いそうなほどに顔を、体を接しているというのにΩの発情に中てられない者など存在しない。
俺も又、例外ではなかった。
ほとんど抵抗らしいていこうも示さない、いや、しめせなかった門倉の体を引きずっていく。
そうして、見た目だけはなるべく普通の寝台へと近付けてある実験台の上へと放り投げた。
驚くほどに軽くて、――容易かった。
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