溢れ出しそうだよ。

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 バスの中は賑やかで、皆が楽しげに笑ってる。お願い、ふざけてバスを揺らさないでと思いながら、揺らしてくれれば彼の肩になだれかかれるのかななんて考えるあたしは馬鹿だ。  チャプン、と誰かがペットボトルを揺らした。その音に、ドキリとする。体の中のオシッコも、刺激されるように揺れたような気がした。あふれそうな気持ちと、あふれそうなオシッコを交互に考えることしかできないあたしの頭は、よく初恋を色で例えるとをイメージするレモンイエローでいっぱいになっていた。  そのうちお漏らししたオシッコが冷えてきて、体をブルリと震わせる。冷えてくると残りの体にためたオシッコを出してしまいたくなってきて、足がガクガク震えた。
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