鯖虎武蔵

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 家に戻り玄関ドアを開けて貰うために声を掛けた。 「ミャ~ン」 「ナオーン」  婆ちゃんはすぐにドアを開けてくれ、キッタネエ俺を抱き上げて泣いた。 「婆ちゃん済まない、済まない!!」  泣いている婆ちゃんと鳴いている俺を家族達がアワアワと困ったように覗き込んでいる。  あゝ、温かいのは夏がまだ終わっていないからなのか。それとも家族が揃ったからか。  うん?  家族が揃ったからか??  何だか変だぞ!  俺が家族を見渡すと、爺ちゃんは三人、おばちゃんは二人、お嬢が・・・、お嬢が五人居る。  しばらくして、俺の無事を確認した家族達は婆ちゃんを残して思い思いに散っていった。  皆散歩が好きだもんな。  そして行方不明だったお嬢は外廊下で隣の骸骨に遭遇し、逃げ帰って今は冷蔵庫の下に潜り込んでさめざめと泣いている。  お嬢、冷蔵庫の下じゃぁ流石に俺も見つけらんねえわ・・・。  こうしてお嬢の家出?と俺の捜索劇は衝撃の結末で幕を閉じたのだが、原因と成った骸骨野郎を俺は許せそうにない・・・。
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