大好物を食す

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大好物に手を伸ばす。 ガブッ ジュワ〜 ん?何かいつもと違う? 「今日の唐揚げ何か違うな。粉変えた?」 「ブー!肉を変えたの。」 菜箸を持ちながら、妻は柔らかく微笑む。 「え?何?マズイ?」 「いいや…美味しい。脂身は少ないけどさっぱりしていて柔らかい。凄く…柔らかな感じ」 「そう」と口に手を当ててまた微笑む。 「まだまだ揚げるけど食べる?お肉沢山あるのよ」 「うん、食べる。余ったら明日のお弁当に入れてよ」 10個目の唐揚げを口へ放り込んだ時に、妻が不気味に呟いた。 「あー本当に面白い。愛してる女を食べてる気分はどう?」
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