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あなたを嫌いな理由
両親の記憶がほとんどない。
物心つく前に他界した父親と育児放棄して男と駆け落ちした母。
偶にいる所謂可哀想な生い立ちの青年、それが世間が僕に貼るレッテル。
もっとも僕には、十分過ぎる程の愛情を注いで育て上げてくれた祖父母がいたから、特に自分を不幸だと思ったことも、両親を恨んだことも無かった。
ただ、僕はほとんど写真でしか知らないその人たちが嫌いではあった。
僕にとって、彼らは僕の両親である前に、僕の大切な祖父母を悲しませる存在であったから。
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