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赤いハイヒール、ばかり見ていた記憶がある。 見上げるとあんまり煩わしそうな表情ばかりがそこにあったから、やがて上を見なくなったのだったと思う。 そのせいか、あの日突然現れたその人が誰なのか、僕はしばらく気づけなかった。 呆然とする僕の目の前で、縁側に乗り上げたあの赤いハイヒールが、頭痛を伴って朧げな記憶を呼び覚ました。
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