3、ユミ

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3、ユミ

ユウギの母親ユミは 半年前まで 乃愛の母親と同じスーパーで働いていた。 ユミは、思ったことがすぐ口に出る質(タチ)で レジでは客と バックヤードではパート仲間と すぐ喧嘩になった。 そのうち接客はしなくなって 品出しだけするようになったが マネージャーと大喧嘩になり辞めてしまった。 「ユミちゃん思ってること、すぐ言っちゃうし  空気をよまないって言うか…」 乃愛の母親は それでもユミのことが気になるらしい。 「でも、次の仕事見つかってよかったよホント」 ユミは離婚してから いろんな仕事を掛け持ちして ユウギと暮らしてきた。 ユミには軽い 脳梗塞の後遺症が有った。 ユウギが4年生の時 小学校から帰るとアパートの部屋で うつぶせに倒れていた。 ユウギがすぐ救急車を呼び 一命を取り留めたが。 水代わりにビールを飲む生活だったらしい。 「ユウギは命の恩人」 リハビリしてパートに戻ってくると ユミは周りにそう言っていた。 ビールを減らし、食事にも気をつけ 水を飲むように心がけていると言った。
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