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5 weeks ago - クリスマスプレゼントは絶望 -
神様、クリスマスはあなたの子を祝う日なのですよね。
教えてください。
なぜあなたの子だけをこうも盛大に祝う必要があるのでしょうか。
あなたの子だけがこの世にとって特別な存在なのでしょうか。
たとえば、わたしは祝われる価値のない存在なのでしょうか。
*
駅前の広場に来ています。
いえ、ここに来たいと思って来たわけではありません。この駅はただの経由地です。この駅を介して別の地へと移動する必要があったのです。それだけのことです。
と、いいますか。今の今まで知りませんでした。
今日はクリスマスイルミネーションに点灯する日だということを。
ほら、ごらんください。
あなたの子を祝うために、いえ、あなたの子を祝うという理由にこじつけて、たくさんの人がここに集まっています。今か今かと、カラフルな灯りであたりが色づくのを皆が待っています。
ですがちょっと滑稽ではありませんか。街路樹に飾られたイルミネーションの小さな電球は、その命の源であるエネルギーが満ちていないと、なんともみっともなく見えます。つたい垂れる電線の群れはいかにも人工物といった感じで不自然ですし、灯りがともらない状態だと、かえって木々の美しさを損なうだけです。
神様、あなたはそこまでしてクリスマスを祝いたいのですか。
何かの美を損なってまで祝いたいのですか。
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