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あらすじ
これは、結花が幼い頃の話だ。
王子様の許嫁の披露会が開催された。披露会に出席する事になった当時、六歳の結花が目にしたのはあまりにも神々しい二人の少年少女。
王子は眉に傷がついておりそれがカッコ良く見えた。
その時、王子様に結花は一目惚れをした。
当時の王子様と、お姫様は八歳でそれほど結花とは、歳も変わらないのに容貌があまりにも違いすぎ、手に届かない事はわかっていても憧れずにはいられなかった。
それから結花は、カッコいい王子の隣に居ることができる、可愛いお姫様に憧れ、かれこれ十年が経った。
歳を重ねれば重ねるほど、追い求めた姿からは、かけ離れて行きそんな自分の容貌にうんざりした結花は、滝の上に立っていた。
これ以上こんな姿で生きたくないと身投げの決心をした結花に対し声を荒げる男の声がする。
自殺を図ろうとしている結花に対して、『生きろ』と呼びかけをする男に嫌悪感を抱き文句を言いに男の元へと向かった。
眉に傷のある自分よりは、やや年上くらいの男だ。
文句を言う結花の話を遮り男は自分の生い立ちを話し出した。どうやら、まったく魔法の使えない魔法使いのようで、毎日ここで、魔法の修行をしているらしい。
修行をしているうちに恋をすれば魔法の習得ができる事が分かり、結花に恋人になってくれと頼み込んだ。もし魔法が習得できれば、君
を絶世の美女にするという特典をつけてくれた。
戸惑ったのは一瞬で、首をコクリと縦に振った。
結果は直ぐに出なかったが、徐々にぼさぼさだった髪は綺麗に整い、メイクなんてしようとなんて思わなかったが、したいとすら思うようになった。
魔法が徐々に効き始めていると感じた結花の耳にあるニュースが届いた。
国民には伏せられていたらしいが一ヶ月ほど前から王子が行方をくらませており、今日白骨死体として発見されたらしい。
大好きな王子の死を受け止めきれず、男に別れを告げ自分も王子の元へ行こうとすると、頭の中が真っ白になり、何故か男の姿と王子の姿が重なった。
男は真相を話し、自分を殺した人の事を話しその犯人がお姫様だと伝えた。
お姫様を捕まえてほしい。と頼み込まれ、お姫様に怨みを持つ人材を集め城に攻め込み、お姫様確保をする。
王子様に報告すると、魔法の話をしてくれた。
「君が可愛くなったのは、魔法じゃない。君の努力の賜物だよ」と伝え、成仏して行った。
そして二年の月日が流れ、国ではある噂が流れ始めた。
死者の集落と呼ばれる滝の流れる集落が存在し、そこに行けば互いに死者が姿を表すという噂だ。
そこは、王子に自殺を止められた場所でそこには、王子の姿があった。
結花は、死者の集落に家を建て王子と一緒に暮らすようになり、仲睦まじく暮らした。
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