いつか、一緒にお茶を

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『#昔、会ったあなたへ  #拡散希望  とても疲れていた時に、あなたがそこに居てくれたお陰で、私は救われました。今でもよく、あなたのことを思い出しています。  いつか、一緒にお茶を飲んで、美味しいお菓子を沢山食べて、色々な話をしたいのです。  そう考える時、とても優しい気持ちになれます。あなたのおかげです。  あなたが、生きていてくれるおかげです。  ありがとう。』  スマートフォンの画面を睨んで、うーん、と唸る。  何度も考えて、書き直して…… でもなんだか、気持ちの全部はうまく書けない。  ── こんなの送信したら、普段仲良くしてる人から変に思われるかもしれない。もっと普通っぽい書き方、ないかな…… そもそも、これ、見てわかってくれる可能性って、どれくらいあるんだろう。 「ねえ、これどう思う?」 「いいんじゃないか」  単なる気休めにも聞こえる、夫のいい加減な一言が、躊躇(ためら)いを押してくれた。 「じゃあ、upしちゃおうかな」  なるべく気軽な口調を心がけながら、私は念を込めて、送信ボタンを押した。 ── 神様、お願い。 どうか、繋げて。 (終)
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