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はぁはぁはぁはぁ……か、神さま、神さま……どうか、あいつが不幸になりますように、事故にあいますように、事件にまきこまれますように、死にかけるけど死なないで一生苦しみますように、死ぬときはひどく苦しみますように……いや、やっぱりひどくひどくひどく苦しんで一族全員根絶やしにしてください……神さま、どうか……
スパーン、パン……スパーン、パン……スパーン、スパーン……
先程までリズムよくなっていたスリッパの音が変に止む。
境内の脇で男の子が女の子にスリッパでずっとお尻をはたかれていた音だ。
大木に手をついていた男の子はときどき嬉しそうに声を上げていて、女の子の笑い声も混ざっていたが……
「おねえさんだめだよ、そんな……」
砂利を踏みながらスリッパを片手に女の子がやってきた。
「そうだよ、そんなんじゃ……」
女の子の後ろからやってくる男の子もズボンのチャックを上げ、ベルトをカチャカチャなおしながら言った。
「な、なによ!!」
子供になにがわかる! 説教なんてされたくない!!
疲れ果て座り込む私に、女の子はしゃがんで顔を近づけた。鼻のすぐ先でまっすぐ私を見すえる。
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