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「そう。死んじゃった日はね。おねぇちゃんと遊びたくて公園に行ってたんだ。だから、僕の未練はおねぇちゃんと遊べなかったこと」
私が受験などで忙しくなり、自分のことで精一杯になっていた時期。
蒼太くんはきっと何日も公園に通っていたんだろう。
「今日、願いが叶った。だから未練はなくなったんだ。本当はね、もうおねぇちゃんには会えないって思ってたんだ」
それが、帰り際に流した涙の理由。
好きな人ともう会えないと思っていたから見せた涙。
「でもね、今日のお礼言いたかったから。それまでは......って思って」
そう言う蒼太くんの体は既に半透明になっていて、後ろの景色が透けて見えていた。
さっき言ったお礼。
それを言うために蒼太くんはここに留まっていたのだ。
「・・・私も楽しかったよ、蒼太くん」
私は本心をありのまま伝えた。
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