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そこから私は、静かに泣いた。
片想いの恋だけで、恋愛なんてしたことは無かったけれど。
果たして、蒼太くんほど私を好きになってくれる人は現れるのだろうか。
死んでもなお、私のことを好きでいてくれる人は現れるのだろうか。
蒼太くんが生きていると思っていた時。
彼の重荷になってはいけないと、本当の気持ちではないことを伝えなきゃと思った。
でも。
「ふふっ。私の方が重荷になってるかも」
きっと忘れることは無いだろう。
「また会えるといいな」
そう思った頃には、涙は止まっていた。
「・・・帰ろ」
夜空一面に輝く星々を見上げながら。
願わくば、また蒼太くんと出会えますように、と。
神様にお願いした。
蒼太くんと出会った公園を横目に帰路に着く。
静寂が支配する夜の公園は、まるで私の心を写しているかのようだった。
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