1人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか、痩せた?」
いきなり、それかい。
「そう?何もしてないけど、えへへ。でも、嬉しい」
「とりあえず、どっか店入ろうぜ」
手を繋いで、恋人らしく過ごす1日。
会うのも、過ごすのも、この季節で1日限り。
だから、彼女の楽しみは、秀治の楽しみでもある。
入ったのは、静かな雰囲気の喫茶店。
「いらっしゃいませ」
「マスター、久しぶり」
秀治の行きつけの喫茶店だった。
「おやおや、素敵なお嬢さんと一緒かい?ゆっくりしていってください」
「ありがとうございます」
隅の席に座る。
「茜、大学はどう?毎年聞いてるけど」
お互い、大学3年生。
「なんとか、頑張ってるよ。秀治から、連絡もらうと元気になるから少し辛くても平気」
この日は、なんとなく元気がなかった。
理由は、わかってる。
最初のコメントを投稿しよう!