1689人が本棚に入れています
本棚に追加
休憩室、節約の為にお弁当を持参している。西野さんもお弁当だ。……私のより美味しそう。って、こんなところでまで卑屈になってどうする。大した会話もなくもくもくと食べる。
「あ~! 西野さん、もうすぐでしたっけ」
ガヤガヤと数人の女性たちが入ってきて、私に気付くと、ぺこり頭を下げてくれた。
それっきり、みんなで会話が始まった。私はここにいていいのかなと思うくらい、部外者で、疎外感を感じる。まるで、いるのにいないみたいに扱われていた。
早々に食べ終えると、お手洗いへと立った。
「……誰ですか?」
「私の産休育休の間の、1年契約の人」
「ああ」
「……何かあれですよね、決まってた人が辞退したとかで代わりに来た人! 何か聞いたこともない短大出て、小さな町工場に勤めてたけど倒産したとかで……」
「絶対こんな会社に勤められるスキルないじゃない」
「だから、契約でしょ」
「まあ、1年だし、そんなに関わることもないかな」
「……暗くない?」
「って、短大!? 」
……聞こえてるし。町工場じゃないし。ちゃんとした株式会社だったし、そりゃ三代で倒産するような、会社かもしれないけど……
暗いって、全く知らない人の中できゃあきゃあ言えるわけもないじゃない。短大の何が悪いんだよ……。わかってるよ、こんな大会社勤められるわけないことなんて。
いつまで続くんだろう、私のこんな負のスパイラルは……。
最初のコメントを投稿しよう!