エピローグ

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高台くんと恋人になったと明日美と奈々に報告すると、ぶったまげられて、宏江に紹介すると、宏江の高台くんを初めて見た時の第一声は 『ひっ!』だったの、面白かった。わかるよ宏江。そうなるよね。 高台くんの海外にいる友人もSkypeで紹介された。すごい美人のテンション高い人。 『わぁお、萌香、キュート!』って言われた。この人、どこかで見たことあるんだけど……どこでだったかなあ?私は本当、ぼーっとしてる。今度はしっかり覚えておこう。絵茉さん、美人。そして、Skypeしながら高台くんが私の頬にキスしてくれた。……これ、海外仕様なのかな。ドッキドキ。 『すごく嫌な事があった後がチャンスっていうからね』高台くんがそう言ってくれたの、今はその通りだなあって思う。落ちたからこそ仕事も恋人も最高に素敵な結果になった。 私たちはお互い、まだまだ知らない事がいっぱいある。毎日色んな話をして、横に座ったり、向き合ったり、時々は眠るまで話す、他愛もないことを。 季節はまた、変わる。何度でも。 「蝉……」 「セミ?」 「うん、蝉って情熱的だよね」 「……そう……かな? ああ、鳴いてるの求婚だから?」 そういえば、セミのせい(おかげ)で往来で抱き締められたのだったなあ。と、思い出す。 「んー……passion」 「え、何?」 「いや、何も。俺は……夏も好きだな」 「うん?」 賢い人の言うことはよくわからないな……。でも、私は夏の高台くんもカッコいい!って思った。全然湿気(しっけ)てないの! 私は春も、夏も、秋も、冬も、全部の季節の高台くんを知ってるんだ。 全方位隙なく、カッコいい!! 彼は……私の、友人兼、完全無欠な普通な恋人。 にこ。目の前で正義が、笑った。
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