陽菜1

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「陽菜、おはよう」 朝補習間に合って良かった。 「おはよう、樹。」 隣の席の樹と話し始める。 「俺さ、法学部にするわ。」 「そうなの?弁護士にでもなるの?」 「それもあるけど、法律についてもっと知りたいしな」 「陽菜は?」 「まだ、分からない」 みんな、将来を見据え始めた。 しかし、陽菜はまだ何も考えつかず、五寸先は闇な状態。 まだ二年生だし、まいっか(笑)こんなだから勉強にも身が入らず、なんとなく机に向かう日々を送っているんだろうけどね。 しかし、ある日。帰宅すると、母が封筒を手渡してきた。 『山田ゼミナール』予備校じゃないか! 「通ってみない?成績低迷してるし」 それを言われたら反論できるはずない。 高校二年の夏を目前に、予備校通いをスタートさせることになった。
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