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和佐1
昔、僕には夢があった。
言葉を巧みに操る人間になりたいと。
日本語は魅力的だ。
例えば「美しい」は英語でbeautifulだが、日本語では美麗、端麗、華美、美々しい、麗しい、まだまだ沢山。その微妙な違いを、思いに寄せて使い分けることができる。
22歳の頃に書いた作品が、陸田文庫の大賞に選ばれた。それがきっかけで、デビューが決まったのだが、、、色んなプレッシャーからか書けなくなってしまった。
そして、結局一発屋として作家人生を終えた。
今は、予備校で国語を教えている。26歳にもなって、恋人もいない。そして、親父がやっている古本屋の二階にすんでいる。
「和佐、一人暮らししたらどうだ?」
ある日、親父が言った。
職場は遠くないし、一人暮らしの必要性を感じないが、、何故??別に、親父に依存していたいわけじゃない。むしろその逆。親父を一人にしてはいけない気がしていたのだ。
「このままじゃ年とるのか?おれみたいに後悔するぞ。」
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