1話 騎士の次男坊に転生しました

3/3
前へ
/12ページ
次へ
「ママでちゅよ〜」 「パパでちゅよ〜」 「お兄ちゃんでちゅよ〜」  家族が俺に会いに来たのは、それから数日後のことだった。 病気だから隔離されたのでは?とビクビクしていたのにあっさりとしたものである。 まあ、それもこのデレデレにデレた顔を見たら、どうでもよくなったわけだけど。  母親のリリアンさんは、綺麗な金髪に金色の瞳の美人さん。父親は、騎士の家系よろしく屈強な体格と威厳のある美丈夫だ。 兄は、まだ幼いながらも凛々しく端整な顔付きをした少年である。 「あぃ」  「「「ぎゃ、ぎゃわいいいい〜〜」」」  そんな美形達が俺の「あぃ」の一言で身悶えし、顔をだらしなく弛めている。  うん。愛されてるな俺。 愛されていることは大事なことだ。 でも、これでハッキリしてしまった。 コ●ン君みたいに謎の組織に薬を飲まされて、若返ってしまったわけではない。 これ、異世界転生ってやつだ。転生して前世の記憶持ったまま赤ん坊スタート的なやつだ。 「見てみろ、この凛々しい顔。将来は私よりも立派な騎士になるぞ!」 「そうですね、父上!」 「あらあら、知的な顔をしているから魔導師かもしれないわよ?」 「そうですね、母上!」   「ハハハッ、それじゃあ将来は魔導騎士だな!」 「あぅ……」  豪快に笑う家族達に俺は苦笑いした(できたかは分からないけど) 俺は、騎士にも魔導師にもなりたくない。 だって、両方戦うじゃん。 「リデルライト!早く大きくなれよ!」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加