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3日後…
『コウ!久しぶりだな。』
賑やかな物音がして、入って来たのは浩太さんとさほど変わらぬ長身で細身、金髪を撫で付けてオーダーメイドのスーツを着たイケメンセレブさんだった。
『リック!元気そうだな。』
しっかりと抱き合い、再会を喜んでいる2人を浩太さんの後ろで、愛斗を抱っこしながら眺めている私に気づいたリックさんと目が合った。
『コウ、ご自慢のアイリとマットを紹介してくれよ。』
『あぁ、妻のアイリとマナト。
こっちはリック。』
『いくらなんでも、あっさり過ぎるだろ。』
『リックにそれ以上、うちの家族の情報を渡せるか。』
「浩太さん、さすがにそれは…」
「いいんだよ。」
浩太さんは良くても、不味いと思い、リックさんに挨拶することにした。
『はじめまして。アイリです。
お会い出来るのを楽しみにしてました。』
『よろしくね。アイリ、かわいいね。コウって優しくないだろ?
コウに飽きたら、僕がもらっちゃおうかな。
アイリ、会話は大丈夫?』
リックさんの軽い口に浩太さんが不機嫌な顔になる。
『あまり、早口でなければ聞き取れますし、日常会話ならなんとか話せます。
それと浩太さんは優しいですよ。私は浩太さんに飽きる事なんてありません。』
私の反論にリックさんは唖然として、浩太さんは額に手を当て真っ赤になっていた。
『言い寄ってくる女に極寒の対応がデフォルトのコウが優しい⁈』
『煩いな。そーだよ。俺が惚れてんだよ。文句あるか。』
浩太さんがそっぽを向きながら、そう言うのでついかわいいと思ってしまった。
『へぇー。コウがベタ惚れかよ。
面白いものを見せてもらったな。』
私からしたら、極寒の対応って塩対応のことだと思うけど、そんな浩太さん見たことない。
家族や社員の女性陣には優しいもの。
最も女性社員は、みんな既婚者だから、未婚は優里亜ちゃんだけだけど。
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