2

2/6
前へ
/101ページ
次へ
 到着したのは、郊外の一軒家を改装したらしい一部屋一組で1日5組しか受けないという隠れ家風レストランだった。  こんな商売でやっていけるのかなと考えてしまう私は、完全な庶民なんだなと思う。 「どうかしたか?」 「い、いえ。」 「ワイン飲むか。」 「部長は車ですよね。」 「私はノンアルだけど、君は飲むといい。」  誘われるままにワインを飲んで、美味しい料理に舌鼓を打った私は、かなり気分が良くなっていた。 「部長は、なぜ私を誘ったんですか。」 「海斗だ。外で部長は、そろそろやめてくれないか。」 「か、海斗さん…」  テーブルの上で手を握られ、熱を孕んだ目で見られると私は、すっかり舞い上がっていた。 「出来れば、愛莉にずっとそばにいて欲しいよ。」  ワインだけでなく、海斗さんの魅力にすっかり酔っていた。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1926人が本棚に入れています
本棚に追加