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「ん…」
「目が覚めた?ごめん、無理させたかな。」
意識を飛ばしていたのは、30分もないのだろうが、乱れた服を直して、身体を拭き清めてくれていたようだ。
「だい…じょ…ぶ…」
思っていた以上に掠れた自分の声にどれだけ喘がされ、啼かされたかを意識してしまい恥ずかしくなる。
非日常な空間にお互い熱くなり過ぎた?
浩太さんに呆れられてないかな?
私の不安げな顔に気づいたらしい浩太さんにベッドの中で抱きしめ直されて、浩太さんの胸に私の頭がくっ付いた状態になる。
「愛莉、めっちゃ良かった。」
「浩太さん、恥ずかしい…」
「なんで?俺はすげー幸せだけど。」
見上げるように顔を向けると頰にキスが落とされた。
甘い雰囲気に慣れなくて、つい愛斗の話をしてしまう。
「愛斗、大丈夫かな?」
「普段、すぐ横に寝ているから心配?」
「うん。」
「移動とプールで疲れて、ぐっすりだったからな。そろそろぐずるかな。おかげで愛莉と過ごせたけど。」
そう言いつつも浩太さんは、すぐに動けないわたしの代わりに愛斗の様子を見に行ってくれた。
「まー」
「ほら、ママいるだろ。」
隣の部屋から連れてきた愛斗は、瞳に涙を溜めていたものの、にぱっと笑って私に抱きついてきた。
「目が覚めて、知らない景色で不安になってたみたい。俺の顔見た途端、半べそになった。」
「そっかぁ。ママいるよー。」
2人きりの時間もいいけど、私たちは3人で始まった家族だから愛斗もいるのが、当たり前なんだなと改めて思うのだった。
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