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 『リックぅ。どこー?』  廊下から聞こえる複数の甘ったるい声に私たちが気づいたのと同時に部屋のドアがいきなり開かれた。 『ここにいたのね?』 『ヤダァ、コウまでいるなんて、聞いてないわよ。』  顔立ちが派手で身体のラインがはっきり分かるスーツを着た女性が3人入って来た。    そのうちの1人、赤毛の女性が浩太さんに擦り寄った。 『コウ、久しぶりね。会いたかったわ。』 『エレン、俺は別に会いたいわけじゃない。迷惑だから、とっとと離れろ。』  私は見たことのない浩太さんの冷たい瞳と突き放す態度にびっくりしつつも、先程のリックさんが言っていた極寒ということに納得した。
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