頼むよ、神様

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 ああくそ、くそ、なんだよくそ。  あれか、この世界を爆発させろって願いながら賽銭入れたのが悪かったのかよ。  それとも鐘を壊すつもりで鳴らしたからか?  100円の入れ方が雑過ぎたか?  神様を怒らせちまったんかなぁ、くそ。  こんな最悪な俺だから、この世界から消すってか。  ああ畜生、さっきの苦しさよりこっちのがいてぇし苦しい。  息ってこんなにしんどかったっけ、ああクソ。  あれか、吐き出した痛みも辛さも全部俺のもんだから返すってことか?  ……あんまりじゃねぇか、神様。  やっぱり、人様の願いなんざ聞いちゃくれねぇよな  ドシャっ  重たい音と共に体が痛い。  砂利の上に俺が倒れたのか。 「キャアアア! 大丈夫ですか! ああ、ああ!」  うるせぇなぁ。もう俺動けねぇんだよ。  見てわかるだろうがよ。大の男が情けなく倒れてんだぞ。  頼むから、今すぐ救急車でもなんでも呼んでくれよ。 「あの、あの!」  覗き込んできた母親の顔は思った以上に若くて、俺より若いんじゃないかと思えるほどだった。  マジかよ、俺、25だぞ。  ああ、最近の母親ってこんなわけぇのかよ。  あーあ、いいなぁ、旦那さん。羨ましいなぁ。 「綺麗……だなぁ」  せめて最後に髪を触るぐらいいいだろう、と手を伸ばしたところで――俺の意識は途切れた。
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