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「おめでとう優花」
「ありがとう、しほ!」
優花の書いた小説が賞を取って、書籍化が決定した。
その時。私は初めて実感した。
ーーあぁ。私って、小説でも一番になれないのか……と。
好きなだけじゃ駄目だって分かってた。それでもこれだけ作品を書いていれば、どこかで認められると心のどこかで思ってしまっていた。
けど、結局才能には勝てなかった。
こうして高校生活を終えた私は、どこの大学に行けばいいのかも分からず。そのまま就職した。
初めての仕事は、かっこ良さそうとかいう安易な考えだけで選んだホテルスタッフ。けど、想像よりも過酷な仕事内容についていけず。結局二週間で退職した。
二回目はアパレルショップで働くが、結局そこも続かず断念し。三回目もスーパーのレジ打ちをするが、続けることが出来なかった。
「私って……何がしたいの?」
接客がしたかったわけじゃない。ただ、ホテルで働いてるってだけで自分が輝ける気がした。アパレルショップでお洒落な服着て働けば目立てる気がした。
ただそれだけの理由で、私は仕事をしていた。
「っ……馬鹿みたい」
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