私は、ただの少女Ⅾ

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「どうして……私なんかを大好きだっていうのよぉ……」 涙があふれる私の手を取って、優花は答える。 「だって私にとってしほは、特別だから」 その時。胸がじんわりと温かくなるのを感じた。 今まで言われてきた「しほちゃんは凄いね」とは違う。今まで感じてきた優越感とは違う。 本当の私を見てくれて、それでも私を「特別だ」と言ってくれたことに、とても喜びを感じたんだ。 「しほ……これからも私の特別な人として生きてくれる?」 私は握られていた手を、ぎゅっと握り返した。 「……うん……生きてみるよ。優花にとっての特別な人として」 私には特別な才能なんてないのかもしれない。 けど、彼女にとって私の存在がただの少女Ⅾじゃないのなら……こんな特別な存在もあっていいのかもしれない。 「ありがとう。神様」
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