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「お姉ちゃんっ、今日イヴだよね。お姉ちゃん、デートとかあるの?」
大学生になったまりが、頬っぺたをツヤツヤさせて聞く。
「ない、全然ない。大学の礼拝から直帰。」
「ええー、ほんとに?お姉ちゃん、全然男の人と付き合わないじゃん。好きな人とかいないの?」
ーいるよ、ずっと同じ人。届かない人。
「何、まり、あんたいるの、もしかして?」
「えへへ。うん、今日初デートなの。」
まりは本当にわかり易い。
「イヴが初デートなの?」
「うん。12月に入ってから告白されたっていうか、告白したっていうか。」
「へえ、大学の人?」
「うん、テニスサークルの同期の子なの。」
「そうだった、あんたは王道だよね、大学生の。何てったってテニスサークルだもんね。」
「えへ。そうだよねえ、ちょっとベタすぎるかなって思ったんだけどさ。さーやにひきずられちゃってさ。」
「さーやって、青南から一緒の子だよね。」
「うんそう。恋愛至上主義者だよ。」
「私の友達にもいたよ、恋愛至上主義者。」
私は久しぶりに梨奈を思い出していた。元気かな。まゆみや友香も、どうしてるかな。
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