12.ブルーとナイトとゴールド

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「それで、さーやはどうしたの?」 「うん、とっくにGWにはサークルの先輩とくっついてさ。速攻だった。」 「そうなんだ、さすがだね。でも、まり、偉いじゃない。奥手なのによく頑張ったね。」 「うふ。だってさ、良いなあって思ったんだよ、初めて会った時から。でも素敵だから絶対彼女いるだろうなあって思っててさ。夏合宿の時とか結構切なくてさ。一緒なのに遠い、みたいな。」 「うん。」 一緒なのに遠い、ね。わかるよ、それ。とっても。 「でもさ、結局彼女がいるかどうか確かめられなくて。で、さーやが、」 「おお、そこで恋愛マシーンの登場ね。」 「恋愛マシーンって、お姉ちゃん、おかしすぎるよ。うん、まあでもそうかな。さーやと先輩が彼に聞いてくれて、彼女がいるかどうか。」 「うん。」 「そうしたら、高校卒業と同時に別れましたって。」 「おお。」 「うん。でもさ、お姉ちゃん、だからって、じゃあ私なのかっていうとそうじゃないじゃない?単に今付き合ってる人がいないってことがわかっただけでさ。」 「うん、それはそうだね。」 「でも、私、もうそれ聞いただけで舞い上がっちゃって。」 まりのことだ。嬉しくて嬉しくて、確かに舞い上がっただろうな。 「それで言っちゃったんだよね。」 「何を?」 「彼女いないんだってねって。」 「げ。」 「うん、そうなの。私さあ、もう少し考えてから行動しなきゃだよねえ。わかってるんだけど、嬉しいとすぐやっちゃうんだなあ。」 「まりのそういうところ、本当に羨ましいと思うし、素敵だよ。」 「ほんとに?でも、そしたらさ、思いっきりひかれちゃって。」 「ええ?ほんと?」 「うん。で、私どん底、みたいな。」 「まり、可哀そう。そいつ、そう言われたくらいでひくなんて肝が据わってないんじゃないの?」 「お姉ちゃん、怒らないでよ。」 「だって、まりは何にも悪くないのに傷つけられてさあ。」 「ありがとう、お姉ちゃん。でも大丈夫、続きがあるんだよ。」 「ああ、そうだった。だって今日初デート出来るんだもんね。」 「うん。ふふ。」 まりの笑顔の輝きが増している。
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