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「それで9月はきつかったんだよね。ひかれたまま、サークルに出なきゃいけなくて。」
「かわいそうに。」
「うん、でも頑張って何とかやってさ。そしたら、10月に入った頃かな、飲み物の買い出しにさーやと彼と私で行かなきゃいけない時があって、途中でさーやが消えちゃって。」
「偉いぞ、さーや。」
「いや、でも私その時もう恥ずかしくて仕方がなかったじゃない?あんな事言っちゃって、挙句ひかれちゃって。なのに二人きりにされてさ。」
「ああ、まあね。でも恋愛マシーンは機の見方が秀逸な気がするし。」
「結果ね、そうだったんだけどさ。」
「やっぱり?」
「うん。さーやがいなくなって、それで二人きりになったら、彼が『何であんな事言ったの?』って聞いてさ。私もう顔から焚火が出るくらい-」
「まり、それ火だから。顔から火が出るくらい恥ずかしい、って使い方。」
「えっ、そうなの?私今までずっと焚火って言ってたよ。うわあ、それこそ顔からた、違った、火が出るくらい恥ずかしいね。」
「まあ、十分可愛い間違いだから許す。」
「あはは。厳しいお姉ちゃんに許されたよ。」
「それでそれで?」
「だから私『どうして?』って聞いてさ。」
「うわあ、禁じ手の、質問に質問返し。」
「お姉ちゃんと恋愛話するの初めてだけど、お姉ちゃん、面白いよね、合いの手が。」
「あら、そう?で、相手は何て言ったの?」
「『ずっと気になってるんだ。何か意味があるのかなって。』って。きゃー。」
両手で顔を覆って赤面している。可愛い。
「まあ、もう何か良過ぎよ、あんた達。」
「だけどびっくりしてるから、その先行けなくて、やっと言えたのが『意味はあるかもしれないけど、今は言えないの。』ってさ。そうしたら『いつなら教えてもらえる?』って。だから12月ならって言っちゃったんだよね。」
「遠っ。なんで12月?」
「いや、何だか12月ってクリスマスで街がキラキラしてるじゃない?だからその勢いで言えるかなって思っちゃって。」
「ああ、まあわからなくもないけど。彼、大丈夫だった?」
「うん、ちょっと驚いたみたいだったけど、『じゃあ12月ね。』って言って、私が持ってた重い飲み物、全部持ってくれたの。」
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