奇跡の商品開発

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 スライムくんの功績を買われた不精な男は商品開発部の総括管理部長、つまり役員にまで登りつめた。 それでも不精なままである。 商品開発部の自室には神棚が置かれており、そこには商品開発部(化学担当)の総力を上げて綺麗な姿に戻ったスライムくん(付喪神)が鎮座し、不精な男を見下ろしていた。 当然、不精な男は不精なままであるために立派になったデスクの上に置かれたノートパソコンの上は汚いままである。 不精な男は神棚に手を合わせて神様に願う。 「神様、お願いします。ノートパソコンを綺麗にしてくださいませ」 付喪神は「仕方ない奴じゃ」と、言いたげに容器を開けて飛び降りノートパソコンの上を転がり清掃をするのであった。 尚、スライムくんであるが、やわらかタイプ(従来品)とかたかたタイプ(公式ではないが、ユーザーからの渾名はお掃除タイプ)の二種類が100円ショップの玩具コーナーに仲良く並んで販売されている。                                                                    おわり
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