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ポテトチップスが空いてしまう。
初田結花はテーブルの上のファミリーサイズのポテトチップスの袋を覗きながらそう思った。これが終わってもビスケットやチョコレートを食べるからいいのだが、朝、買い出しにコンビニに行った三千円分のお菓子は半分以上無くなっている。高い菓子パンやアイスを食べたせいだ。結花は三段になったお腹を摘まんだ。十一月になって体重は九十キロになった。
結花は過食症だ。常になにか食べている。お菓子はもとより朝ごはんは昨日の夜にピザを出前した残りを食べた。今日は土曜日で会社は休みだ。食べて食べて食べまくろう。
クリームが挟んであるビスケットを食べているともう直ぐお昼になることに気が付いた。コンビニにパスタでも買いに行こうかな。結花は食べかすだらけになった部屋でスウエットを脱いだ。流石に部屋着でコンビニに行けない。
結花はマンションに一人暮らしだ。四年生の大学時代から都内に住み始めた。大学では文芸サークルに入ったのだが友達が出来なかった。それどころかイジメられるようになった。大学に入ったときは五十キロだったし容姿も人並みなので理由が分からない。でも学校で仲良くしてくれる子がいなくなった。よくイジメられる子は当人にも責任があるというが結花は高校のときは明るくて友達も多かったし逆にイジメられている子をかばってあげたりしていた。神さまがいれば願いを叶えてほしい。明るくて細かったときに戻してくれと。
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