背徳

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教師になって三年が経った頃、高校の古文を教えていた。 蝉がうるさい夏の日。 はじめていじめに遭遇した。 体育館倉庫で男子生徒が六人いて、一人がサンドバッグにされ暴力を受けていた。 当時の光景は今でも鮮明に覚えている。 男子生徒の顔、声、音、倉庫の匂い。全て。ゲラゲラ笑う声は悪魔のように思えた。 目撃したときはどうすればよいか分からずモタモタしてしまう駄目教師だったが今思えば熱血ですぐに突撃してしまうような教師ではなくて良かったと心底思う。 どうしようか迷っているといじめにあっている男子生徒が泣きながらずぼんやパンツを脱ぎ性器が露になった瞬間、未だかつてないほどの衝撃が走った。 そして目を疑った。 自慰行為をやりだしたのだ。 リーダー格の生徒が携帯でそれを撮影しているのが見えた。 こんな事現実でもあるのかと思ったがそんなことは今どうでも良い。達してしまった生徒を見て、僕は気づけば勃起していた。 その日から僕の日常は変わった。
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