階段の上の管理者

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 *** 「ほんっと、世の中には罰当たりな奴らがいるもんだ」  翌日。  大騒ぎを聞きつけて飛び出してきた住職が通報したおかげで、男女は見事にお縄となり。  俺は住職から給料を貰って、話を聞いている真っ最中というわけである。寺の縁側に並んで座り、俺はにぼしをぽりぽりと齧った。住職も同じにぼしを食べながら、缶ビールを開けつつため息をついている。 「お前に管理人を任せて本当に良かった良かった。どんな故人も、死んだ後にゆっくり眠る権利は守られるべきだろう。死んだ女性も、骨壷に他の死体を混ぜられた女性も本当に気の毒だったよ。もう二度と、こんな馬鹿なこと考える人間がいなくなることを願うばかりだ」  まったくだ、と俺はうんうんと頷く。  これだから人間というものは困るのである。天国や地獄が本当にあるのかどうかわからないのは確かだけれど、それでもおてんとさんはちゃーんと見ているのだ。罪と犯せば罰が、善行を成せば必ずそれも自分に返ってくるようになっているのである。今の若い人間どもは、すぐそういう簡単なことを忘れてしまって困る。 「これからもよろしく頼むな、カズマ。この墓地を守ってくれる管理人として」  住職に頭を撫でられつつ、俺は満足気に笑って答えた。 「にゃー!」  ふふん、と俺は得意げにしっぽを立てた。  やっぱりこの世界には、俺達猫の力がまだまだ必要不可欠なのだ。  人間どもめ、これからも感謝するがいい!
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