先越されたあ

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先越されたあ

 少し前の小説ですが「死屍荘の殺人」を読んだ方はいらっしゃいますでしょうか?  エブリスタのつぶやきでも囁いたかもしれませんが、一応ここでもお喋りさせてください。  あの小説の作者、今村昌弘さんは僕と同じ技師さんなんですよ。それを知った時に「ああ、先越されたなあ」と一人変な気持ちになりました。  今村さんは技師を辞めて小説で生きていくと誓い、独学であのサスペンスを完成させたようです。覚悟が違いますね。  僕は技師の世界で小説を書いている人はいないと思っていたので、書籍化されればこの業界で初かと思っていたところそれを知り、二番目かあって。まだ書籍化なんて夢のまた夢なのに。アホですね。  まあ目的が今村さんと僕では全く違うんで、いいですけど。  大先輩である「バチスタの栄光」を書かれた海堂尊さんの講演を以前聴講したのですが、やはり小説を書くきっかけは「AI」を世に伝えたかったからということでした。当時、病理医だった海堂さんは死亡時画像診断AIを提唱した時、相当反感を受けたらしいです。ドラマにもあったように。  そこで考えたのがサスペンス物語で必要性を伝えること。僕もその時ちょう「君は何を想う」を書いている途中だったのでとても感銘を受けました。誰かに伝えるためには書くというスタイルが同じだなって。ぜんぜんバックボーンが違いますけど、海堂さんのように諦めない精神で書き続けよう。  ちなみに数年前からAI加算が病院で取れるようになりました。月日は長かったですけど、ようやく海堂さんの努力が報われたように思います。  去年、大住力さんの講演を拝聴しました。「公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を」の代表者であり、元は東京ディズニーランド等を管理するオリエンタルランドの運営、マネジメント、人材育成をしていた方。  壇上に立った大住さんの勢いと力強さに興奮しました。できる男は違うというか、ディズニーの理念は思っていた通り素晴らしいというか、講話を聴いていて涙が出ました。  最後に直接大住さんとお喋りもできて満足満足。うちは難病ではないけれど、重度の発達障害児がいるとお伝えしたら「お父さんは十分やっている。いつでも力になりますから」とお声をかけていただきました。ありがとう。ただ僕だってこれくらいじゃ負けないよ。  大住さんは東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアサポートセンター・アドバイザー(人材教育担当)。  できるかできないか分からないけど、大住さんの心意気がボランティアの皆さんにも伝わるといいな。  現状を変えたいと思う人たちのやる気は伝搬しますね。  職場にはやる気のない人も大勢いますが、そんなんに流されず自分を律していきたい。
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