第三波ですね

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第三波ですね

 僕は地方の基幹病院で診療放射線技師をしている医療従事者です。  病院の中では診療技術部と言われる部門に属します。  とうとう新型コロナウイルスの第三波が来てますね。  連日ニュースで患者数が増加していることにドキドキしています。  受け入れ病院で働く僕は、連日押し寄せる患者さんに最新の注意を払いながら接していますが、いつか自分も罹ってしまうのではないかという不安でいっぱいです。  去年までのように暇な時間に小説を書いたり読んだりが減っちゃいました。  我が家には子供が二人いるんですが、もしも自分が病気になってもその子たちに移らないでほしいと願うばかりです。(僕もなりたくないですが)  病院の中ではコロナ患者と関わる職種と関わらない職種があります。  院内にいてもこの温度差は凄いもので、他人事のように思っている職員も多い。  関わるのは感染対策職員や感染病棟の看護師と医師、あとは救急科の看護師・医師と診療放射線技師くらいでしょうか。  PCRの採取も結局看護師がしているため、臨床検査技師が現場にいるなんて話はありません。  必ず陽性患者はCT検査で肺の中を確認し、胸の写真を撮ります。もろに接触しますし、同じ空間で作業をしています。  最大の防護(プレコーション)をしているけれど、怖いに決まってるじゃないですか。  だけど僕らは濃厚接種者には当たりません。不思議なものです。  患者の部屋で写真を撮る時も、目の前で咳をされたり、患者がスマホでお喋りをしている光景をよく見ます。幼い子供も陽性なら母親と一緒の部屋にいたりもします。彼らは容赦なく僕の目の前で会話をし、下手したらマスクを外して「WIFIほしい」など言ってます。  もう怖くて仕方がありません。でも医療従事者だから業務を全うしなければ。  先日、診療技術部でコロナの勉強会や各職種の対応が発表されましたが、認識の違いにアホらしくなりました。  技術部は診療放射線科、臨床検査科、リハビリ科、栄養科、医用工学科、薬剤科がありますが、うちの科以外は直接関わりもしないのに、患者に会うならこんな格好をして対応しますと漠然な話ばかり。緊張感の欠片もない。  放射線技師をそんなお遊戯連中と同列にするなと言いたい。  なんとか最近コロナ手当がわずかに出るようになったんですが、何人撮っても一日2000円くらい。  当直は一人で何人も対応。心筋梗塞や脳卒中、多発外傷も来ると言うのに。自宅待機職員が一人いますが、それでも二人だけで夜中は頑張っています。  こんな感じで日々働いているため疲れましたね。  でも負けらんないから頑張る!  医療従事者はGoToも行けない、映画館で鬼滅も見れないけれどそれでも頑張る。ボーナスもカットされるようだけど、貰えるだけいいかと思うしかない。  だから他県から旅行に来られる方は、是非自分は健康だと思う人たちだけ来てください。後出しジャンケンは無しですよ。  マスク会食、なんじゃそりゃ? 意味ねえよ。食事くらい家で食べるかして我慢しろよ。医療従事者は全部我慢してるんだからさ。
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