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…ん⁉︎⁉︎
ん………。
日の光だろうか、閉じている瞼の上からでもわかるような眩しい光を浴び、颯汰は目を擦りながら目覚めた。
ここは……。
…ん?
……。
んーーーーー!?!?
ぼやけた視界がはっきりしだすと、蒼汰の目の前に柳田の顔が!!
しかも鼻と鼻がくっつきそうなぐらい近い。
それにここ、ソファーじゃない!
ベットだ!!
しかも柳田先生、パン1じゃないか!?
って、俺は!?!?
……。よかった…服着てた…。
颯汰がそろりとベットから抜け出そうとした時、柳田の体に被さっていた布団がずり落ちる。
すると、うっすら目を開けた柳田がムクッと起きて、
「…寒い…」
と、ずり落ちた布団と、
「わ!!」
颯汰の腕を掴み、自分の方へ引き寄せギュッと抱きしめると、颯汰の匂いをスンスンと吸い込み、またスヤスヤ眠りだす。
いやいや……。
いやいや、おかしいだろう!?
この状態!!
柳田先生、ソファーで寝てましたよね。
俺、その隣りで座って寝ましたよね…。
今の状態。
柳田先生と俺、なぜか寝室のベットの中。
柳田先生、パン1、ほぼ裸体。
俺、寝ぼけてる柳田先生にだきしめられてる…。
ん?
俺、ベットに寝ぼけながら移動した?
颯汰は記憶を蘇らせようと考えたが、まったく思い出せない。
とりあえず、この柳田先生の腕、なんとかしたい…。
颯汰の体に絡まる柳田の腕を離そうとするが、がっしりと抱きしめられていて、離れない。
困った…。
これは起こすしかない…。
「柳田先生、柳田先生!!」
颯汰が柳田の腕を、バシバシ叩くが全くもって反応なし。
「柳田先生!起きてください!」
「…」
『起きてください!』で起きないなら、脅すしかない。
「仕事に遅刻しますよ!!」
あえて颯汰は柳田が飛び起きそうな嘘をつくが、
「…」
返答なし。
うーーーん……。
あ!いいこと思いついた!
「柳田先生、BL本、燃えてます!!」
颯汰が言った途端、
「マジですか!?!?」
柳田は飛び起き、BL本の棚へ駆け寄った。
「良かったー。燃えてない……」
柳田がパン1のまま本達の無事を確認し安堵する後ろから、
「おはようございます、柳田先生。とりあえず、何か着てください」
床に落ちていた柳田の服を拾うと、颯汰は目を伏せながら、その服を柳田に手渡す。
そして、自分の状況がわからない!という表情の柳田を追い込むように、
「服着た後に、言い訳なら、聞いてあげますよ」
と告げた。
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