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柳田の部屋での勉強会 ③
ーーあれから、1時間後…ーー
「原先生〜。かまってくださいよ〜」
ソファーに座り漫画を読み進めている颯汰の頬を、ワインの飲み過ぎなのか、目がトロンとし赤い顔の柳田がツンツンと突く。
「本当読書中なので、静かにしててください」
颯汰がその柳田の手を払い退けると、
「意地悪しないでくださいよ〜」
次は颯汰の肩に頭を乗せる。
意地悪なんて、してません!!
なにが『俺、教えるの得意ですよ』だ!!
漫画手渡されただけで、何も教わってないじゃないか!!
俺、ただひたすら一人で漫画読んでるだけですよ!
ま、この漫画面白いからいいけどさ……。
「原先生〜、無視しないでくださいよ〜」
再び柳田は颯汰の頬をつつく。
「あ"ー!!静かにしてください‼︎今いいところなんです!!」
全く!
気が散ってラストのいい場面が頭に入ってこない!!
「静かにしてたら…後でかまってくれますか?」
うるうるした目で柳田が颯汰の顔を覗き込む。
「…。しません…」
酔っ払いの面倒なんてみれません!!
「じゃあ、ずっと原先生の可愛いほっぺ、ツンツンしますよ」
そう言いながら、またツンツン突きだし……。
「…あー!!わかりました!終わったら飲むの付き合いますから、静かにしててください!」
「本当ですか!?」
拗ねていた柳田の顔が嬉しさで満ち溢れてくる。
「はいはい。本当です。だからちょっと大人しくしててください」
ほぼ棒読みで颯汰が答えると、
「やった!」
と喜び……。
!!!!
颯汰の膝の上に柳田は頭を置いた。
「えへへ、膝枕」
柳田は本を片手に驚き固まっている颯汰の顔を見上げる。
「柳田先生、ふざけすぎです!頭のけてください」
颯汰が柳田の頭を退けようとするが、
「嫌です。ここからだと原先生のこと、ずっとみてられるので、ここでおとなしく待ってます」
がんとして動かない。
動かないどころか、颯汰の腰に腕を回して抱きしめる。
「なっ!柳田先生!」
「この体勢、一度してみたかったんです」
「だからって、していいとは言ってません‼︎」
颯汰は柳田の腕を離そうとするが、力が強くて離れない。
酔っ払いのくせに力だけ強い!!
「あんまり抵抗すると、原先生の服の中に手、入れますけどいいですか?」
不敵な笑みを柳田が浮かべながら、するすると颯汰の背中に手を這わせる。
「わ、わかりました!膝枕しますから、それ以上の事はしないでくださいよ」
颯汰がしぶしぶ承諾すると、
「はい」
満面の笑みで柳田が颯汰を見上げた。
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