2人が本棚に入れています
本棚に追加
彼は驚いたような,少しイラッとしたような声がする。まさか私に反対されるとは思わなかったんだろう。
さっきから大量に信号を逃してる。私は少しだけ後ろに下がった。
「ねぇ,良いの?」
「お説教か?お前も恨んでたのに?」
そう言われて私は何も言えなくなった。そりゃあ,恨んでる。
「でも,犯罪はダメだよ」
そう言うと彼は少しの間黙って,やがて言う。
「少し考えとく」
そう言うと電話は切れた。
私は少しだけ戸惑いを浮かべた。彼の人生を壊してしまった気がして。
「犯罪って何?」
「あんたには関係ない」
さっきのメッセージ内容と同じ回答をする。
「なぁ,明日どっか行かね?」
私はその言葉に目を見開く。
「どうしたの,急に」
「詳細はLINEで送る。じゃあな」
私の質問は無視か。でも,考えてみればどこかに出かけるのは久しぶりだ。
まあ,行っても良いか。
最初のコメントを投稿しよう!