デート

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「楽しかった」  全てを堪能した後,私は感謝を伝えた。 「俺も楽しかった」 「なんか名残惜しいね。こういうの久々」  本当に久々だ。愛花が殺されてたから,私は遊園地とか水族館を避けてたから。 「この後,暇?」 「それは,ランチのお誘い?」 「…っ。まあ,そうだけど」  少し照れたように言う姿に私は思わず笑ってしまう。 「そかそか。でも,この後用事あるの」 「なんの用事?」  そうなるよね。でも,言えないんだ。 「お母さんに家事頼まれて。妹まだ小さいから」  本当は妹なんていない。でも,今の私にはこれくらいしか思いつかない。 「あぁ,そっか。じゃあ,また」 「うん」  そう言って私たちは別れた。
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