王子様のお相手

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「ねぇ、香澄ちゃんの名古屋行きって早まったのかな?」  3日後、中庭のベンチでお弁当ランチをしている時、優香ちゃんに聞かれた。 「さぁ?」 「ランチ誘おうと思ったのに、連絡取れなくて、職場にもいなくて、同じ課の人は異動したって話してたし…」  香澄ちゃんのスマホから私たち同期や会社関係の連絡先は全て削除してもらい、今回の事は誰にも話さないと言う誓約書を書いてもらったから、私も優香ちゃんに話せない。 「異動先で頑張っているといいよね。」 「戻ったら、また一緒にランチしたいね。」 「そうだね。」 「ところであの日、私午後から出かけるから、ゆっくり突っ込んで聞けなかったけど、どういう事? ファンクラブ、激震だったのよ。いきなり婚約って。」 「だよね…」  まぁ優香ちゃんには、聞かれると思っていたから仕方ない。
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