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「理奈ちゃんと拓哉さんって、どういう感じななの?」
「父親同士が兄弟の従姉弟。大学卒業まで、顔は合わせても恋愛感情のない割と近い親戚だったわよ。」
嘘はついていない。ただそれが今年でなく去年までの話で、そこから私たちの関係が変わっているけど。
「それじゃ、まだ私が拓哉さんにアタックしてもいいよね?婚約は結婚じゃないんだから。
私ね。ちゃんと理奈ちゃんに戦いを挑むつもりだから。」
「それは…」
「とにかく私、負けないから。理奈ちゃんは友達だけど、恋のライバルとしては堂々と立ちたいのよ。」
思った以上に潔い優香ちゃんに驚いた。
「優香ちゃんって、もっと女の子っぽいと思っていた。」
「いわゆる女子のノリ?嫌いだよ。
私は友達も男も妥協しないよ。ガンガン攻めてライバルを選ぶなら、ちゃんと祝うつもりだから理奈ちゃんも拓哉さんとしっかり向き合ってよね。」
優香ちゃんが、見た目と違い結構、男前女子だと分かって嬉しい。
「私もしっかり考えるから、よろしくね。」
「私も。でもひとつだけ理奈ちゃんに感謝しているんだよ。理奈ちゃんのおかげでファンクラブが解散みたいなんだ。」
「後はうるさいお局様を出し抜くだけ。うん。燃えるね。」
ごめん。そのお姉様方は、全て私の味方です。
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