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婚約披露でいいのかな?
「理奈、来週の土曜日に婚約披露パーティーをクインホテルでやるって。」
7月になった。仕事が終わり、いつものように拓哉の部屋で、ご飯を食べていると拓哉が、もののついでのように言ってくる。
「へ?」
「父さんがノリノリで理奈にドレスを着せてお披露目するんだって、叔父さんを丸め込んでいた。」
パパを丸め込むって、伯父様いやお義父様は、私に何をさせるつもり?
「拓哉は、いつ聞いたの?」
「今日の昼、父さんに呼び出された時。それで私に相談もなく決定しているの?」
「ちょうど、この前作ったドレスも仕上がって来るし、かわいい理奈を見せびらかせるイベントを僕が反対するわけ…」
「はい、はい。ないわよね。」
「それより高橋さんは、理奈に何かして来てない?」
「そういう拓哉は熱烈アプローチ攻撃を受けているみたいね。」
「僕、断ったんだよ。理奈以外は興味ないって。彼女、鋼のメンタルしている?」
拓哉はしっかり断っているようだが、たぶん拓哉の片想いなら、まだワンチャンあると思っているんだろう。
「やっぱり私が拓哉の彼女だって主張しないとダメなんだろうね。」
「そろそろ奥様、頑張ってくれますか。」
「はい。頑張ってみます。」
「期待しているよ。奥様。」
ちゃんと優香ちゃんに私の気持ちを話そうと決心した。
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