ぼくは宇宙船

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「今から貴様らのテスト飛行を行う。飛行ルートやテスト項目は事前に送っておいた通りだ。指示に従い、迅速かつ正確に飛行すること。分かったな?」  顔に傷のある男がそう言うと、離着陸場に整列したぼくたちは一斉に返事をした。 「はい」 「よし。テスト飛行開始!」  先頭を行く211が重力装置によって浮遊し、空高く舞い上がった。  それから間隔をあけて212、213、214が順番に舞い上がり、同じようにテスト飛行を開始する。  次は、ぼくの番だった。  大丈夫。ぼくにだってできるはずだ。  だってぼくは、宇宙船なんだもの。  重力装置で反重力を発生させ、地面からゆっくりと浮かび上がる。  飛びたい方向に向きを変え、一気に加速して上空へと舞い上がる。  しかし加速してすぐ、ぼくはバランスを保てなくなった。 「わわっ!?」  なんとか機体を制御して上昇しようとするが、上下左右に加速や減速を繰り返してしまう。  やがてぼくは空を目指すこともできなくなり、完全に制御不能に陥ってしまった。  ぼくはそのまま、離着陸場に墜落した。
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