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石原さん、妙なことを言うな……と思ってたら
「相手が立石麻里なら、きっと本気で撃ってました。僕も彼の嫌いな警官ですから、ね。僕が相手でも撃っていたでしょう。でも、弟分の君を……何の恨みもない君を、飯田鐵は撃てたのでしょうか?」
と、俺の太股を優しくさすりながら石原さんは言った。
……あの、そろそろ、それ止めてくれません?
めっちゃ嬉しいんだけど、その気持ちよさにいつまでも引き留められていては飯作る時間がなくなる……というか、あったかい布団の中にもう一回石原さんと一緒にダイブしたくなる。
もちろん布団には潜り込むだけではなく、石原さんに、爽やかな早朝には不似合いのイケナイ事をしたい気になってくるんですが。
そんな俺の気持ちも知らず(と、いうか股間の変化に気付いてよ、石原さん!)石原さんは更に尋ねてきた。
「君、飯田鐵とはどのくらい住んでたの?」
「4年……くらいかな? 俺が二十歳ぐらいから。住んでたって言ってもアニキと麻里さんのアパートに俺が転がり込んでる状態だったし。でもそれって、やっぱ、何かにつけてマズイじゃん。そういう時は泊めてくれるお姉さんちを転々と回っていたから、まるっと4年って訳でもないんだけど」
と、答えた。
「……君は知らないんですよ」
ぽそりと石原さんが言った。
「?」
俺が無言で首捻っていたら
「君が如何に愛される人柄なのかって」
と、石原さんが教えてくれた。
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